富士登山を経験したことがあれば誰でも感じるのが、美しい斜めの稜線と青い空…
ご来光目当てで未明から歩き、寒さに震えながらご来光を迎え、太陽の温かさに感激したのもつかの間、
もしその日が晴天だったら、以後の下山の時間は、太陽を恨めしく思うに違いありません。
富士登山では、山小屋の軒下か、下山路終盤の6合目、5合目の樹林帯まで、日陰を提供してくれるものはありません。
そのため、登山者は下山の5時間近くを太陽の強烈な日差しの下で過ごすことになるのです。
標高が1000m上がるごとに、紫外線量が増えるということはご存知でしょうか。
気象庁の統計によると、標高が1000m上がるごとに、紫外線量は10〜12%も増加するといいます。
富士登山においては、平地より3000m以上高いところで、日陰のないところを歩いているとすれば、
平地にいるより30%以上強い紫外線を、長時間、浴びていることになるのです。
また晴れの紫外線の指数を100とすると、薄曇りでは80、曇りでも60の紫外線を浴びるといいます。
皮膚は、衣類や日焼け止めクリームによってガードできるが、目だけは直にさらされています。
富士登山においてはこのことを念頭において、サングラスを用意しなくてはならないのです。
晴天時の目の脅威は紫外線だけでない。溶岩が細かく砕かれ飛び散って浮遊する砂ぼこりも、富士登山につきものです。
マスクをしなければ、口の中には細かい砂が入ってきます。同時に、目にも相当の砂ぼこりが入ってきます。
視力が悪く、コンタクトレンズで視力矯正をしている場合は、砂埃が眼に入ったら「コンタクトを外し→水で洗い→
再び装着する」となるが、水が少ない富士登山では現実的ではなく、大変なストレスになります。
そこでおすすめなのが、目をしっかり覆うようなサングラスです。
前述した紫外線対策においても、砂ぼこりの対策にしても、顔にフィットする形状のスポーツサングラスが、
より快適に富士登山を進めるうえで、必携のアイテムといえるのです。
また、スポーツサングラスを使用する場合、視力補正が必要な人は「コンタクトレンズ+スポーツサングラス」
というパターンが一般的でしたが、現在は、顔の形状に沿うスポーツサングラスでも度付きの
レンズが使用できるようになりました。
☆偏光レンズ…反射光を取り除きますので、景色がくっきりきれいに見えます。
←通常のカラーレンズでの見え方
←偏光レンズでの見え方
☆調光レンズ…紫外線に当たることで色が濃くなります。
メガネとサングラスを持って歩かなくてもいいので、
度付の方におすすめです。
←右が紫外線を当てたレンズ